脳のはなし

人の知的な能力のピークは20代

前頭前野の中の「考える」「記憶する」「アイデアを出す」「感情をコントロールする」「判断する」「応用する」などの知的な能力は「認知機能」と呼ばれています。

実はこの「認知機能」、20歳から直線的に機能が下降します。(図の線グラフ①)

脳の働きは40代など中年期以降に起こるものだと感じている人が多いかもしれません。確かに、語彙などの知識を問うような検査では、20代から徐々に成績が向上して60〜70代で最大値を示し、その後、ゆっくりと低下していきます。(図の線グラフ②)人生経験が豊かになるに連れて、知恵も蓄積されているということが点数に表れるのです。

ただし、20歳から徐々に認知機能は低下しているので、それまで、その衰えを知恵や経験でカバーしていたのが、40代半ばをすぎると脳の機能低下のほうが勝ることになるというわけです。

仕事でケアレスミスをしたり、集中力が続かなくなったり、人の名前が覚えられなくなったりするのも、「認知機能」の低下が原因の1つ。これが進んで、最終的に日常生活や社会生活が困難になるほど「認知機能」が大きく低下すると、認知症と診断されることになります。

逆に、「認知機能」の低下を緩やかにしたり横ばいにできれば、私たちは歳を重ねても、新しいことにチャレンジしたり、人と楽しくコミュニケーションがとれる前向きな生活をすることができるのです。

グラフ
※ Park et al. 2002; Salthouse 2006より改編

※ ご自身の脳についてもっと知りたい方は、川島隆太博士監修の「脳のはなし 6日間無料メール講座」の受講をおすすめします。

  • 脳活動と日常生活の関係性
  • 現在脳科学でわかっている事実
  • 効果的な脳の鍛え方

などを6日間にわたってメールでお伝えします。
ご登録はこちらから