脳のはなし

ちょっと一息の甘いものでは脳は働かない!?

お腹が減って集中力が落ちた時に、チョコレートなど甘いものを食べると、空腹感を和らげるだけでなく、糖分が脳にエネルギーを与えてくれるような気持ちになります。けれど甘いものを食べただけでは脳は、それほど働かないといいます。脳はブドウ糖をエネルギーとして働くため糖質さえ取っていれば脳は働くと思われがちですが、これは間違いなのだそう。

チョコレートイメージイラスト

糖質よりもバランスよく食べたほうが「集中力」「疲労感」「脳の働き」のすべてにおいてよい結果が得られたという東北大学加齢医学研究所の実験報告があります。

実験は、東北大学の学生を対象に三日間にわたり実施されたもの。水だけ、砂糖水だけ、栄養のバランスのとれた流動食の3通りの朝食をとったあとに記憶力テストを行い、その時の「集中力」「疲労感」「脳の働き」を測定しました。

実験から、水や砂糖水だけをとった場合と比べて、流動食は一時的に集中力が下がるものの180分後には回復すること、「疲労感」はどの朝食も徐々に下がりますが、流動食は90分を超えると改善することがわかりました。

また、記憶力テスト中の脳の働きをMRIで画像分析したところ、砂糖水よりも流動食のほうが前頭葉を中心にいろいろな脳の領域が活発に働いていることが報告されています。

つまり、甘いものだけでは疲労や集中力を改善することは難しく、脳が全力で働いていないということです。

甘いものを食べることでリラックスする効果は期待できるかもしれませんが、甘いもののとりすぎは脳の働きを鈍くするという海外の研究報告もあるので注意しましょう。

※ ご自身の脳についてもっと知りたい方は、川島隆太博士監修の「脳のはなし 6日間無料メール講座」の受講をおすすめします。

  • 脳活動と日常生活の関係性
  • 現在脳科学でわかっている事実
  • 効果的な脳の鍛え方

などを6日間にわたってメールでお伝えします。
ご登録はこちらから