脳のはなし

認知症予防に期待される旅の効果とは

旅行に行く頻度の多い人ほど幸福感やストレス対処能力が高く、明確な旅の目的を持つことで認知機能が保たれているのではないかという、東北大学加齢医学研究所とシニア世代に人気の高い旅行会社クラブツーリズム株式会社の共同調査があります。

これらは、2016年から3年間に渡り「旅行が認知症にもたらす効果」についての研究のプレ調査として、60歳以上の男女を対象に過去5年間の旅行回数と主観的幸福感の関係性について調べたものです。

この「旅行に対するモチベーションと主観的な幸福感」の調査では、現地での交流を動機として旅行する人ほど、人生に対する満足度が高いという結果でした。旅行先で出会う人と交流したいと思って旅行する人は、「人生は面白い」「今の生活は過去よりも幸せ」といったような、人生に対するポジティブな気持ちを持っているということなのだそう。

また、「旅行先の文化や歴史を知りたい」といった文化の見聞を動機とする人は、「人生で起こる困難な状況に自分で対処できる」という自信を強く持っているということがわかったといいます。

高い主観的幸福感は認知機能の維持に影響すると考えられていますが、この結果は旅行回数と主観的幸福感の関連の高さ示すもので、旅行回数が認知症予防・抑制効果があるとまでは言えません。

このため、東北大学加齢医学研究所とクラブツーリズムは、今後、共同研究を進めることで、旅行が認知症予防・抑制に効果があるかを示し、脳のどの領域が関連しているかなどを科学的に明らかにしていくようです。

旅行イメージイラスト

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