脳のはなし

脳の血管をむしばむ食べ物、飲み物は?

中高年になると、脳梗塞や脳溢血など「脳卒中」に対する不安が膨らんでくるもの。重篤な後遺症や、命の危険にもさらされることで、最も避けたい病気の一つです。著名人が突然の脳卒中で救急に運び込まれた、といったニュースもよく目にしますね。

実際に、2017年の厚生労働省の調査では、脳血管疾患(脳卒中)は、日本の死亡原因の第3位と、国民病ともいえる現状があります。

脳をいつまでも健全に保つためにも、脳の血管を健康に保つ意識は持っておきたいもの。そのヒントとなるある研究が、最近発表されました。

2020年11月に米国心臓病学会誌に掲載された研究によると、体内の炎症を誘発する食品(赤身肉、加工肉、精製穀物、砂糖飲料など)を多く含む食事と、体内の炎症を抑える食品(緑黄色野菜、全粒粉、果物など)を多く含む食事をしたそれぞれの群を比べたところ、低炎症性の食事をした群よりも、高炎症性の食事をした群の脳卒中のリスクが28%、心臓病のリスクが38%高くなることが分かりました。参加者の食事は最大32年間追跡調査されました。

脳の血管が破れたり、詰まったりすると、脳卒中だけではなく、認知症のリスクを高めることにもつながります。予防のためにも、日常から血管を傷めることのない生活習慣を維持することが大切です。

血管を傷つける危険因子は、喫煙や飲酒をはじめ、先の研究の通り、血管の炎症を増加させるような食事もその一つ。いつまでも健全な脳を保つためにも、脳の血管を健やかにするバランスの良い食事を心がけましょう。

参考:「Avoiding Inflammatory Foods Can Lower Heart Disease, Stroke Risk」Journal of the American College of Cardiology,Nov 02, 2020

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