脳のはなし

感情を抑制する力は、脳トレで鍛えられる

歳をとると怒りやすくなったり、逆に涙もろくなる……昔からよく言われることですが、実は、脳科学的にもそれは間違いではありません。というのも、加齢で脳が衰えると、人は感情の抑制がうまくできなくなるからです。

加齢のためとはいえ、自分の感情がコントロールできないと、それによるマイナスは自分に返ってくることになります。社会的な動物である人間は、社会に適応して生きていくために感情を制御する能力を発達させてきました。この能力が低いことは、社会に適応し、自分の能力を発揮することが困難になることを意味します。

特に、最近のビジネスの場ではハラスメントに対する意識が高まっているため、怒りにまかせて怒鳴ったり、人権を損なうような言葉を口にすることはご法度になりました。「感情が安定した状態を保つ」ということは、当たり前のビジネスマナーになっています。

脳科学的には、感情を抑制するために重要な役割をはたしているのは、脳の「前頭前野」であることが分かっています。脳の部位の中でも比較的新しく、人が人らしくあるために必要な機能を司っています。つまり、「自分を抑制する」という現代人に必要な能力もまた、この新しい脳の重要な仕事ということです。

抑制能力は、前頭前野に働きかける脳トレで鍛えることが可能です。
特におすすめなのが、「行動制御」という脳トレ。左右の手や足でそれぞれ別の動きをすることで、行動を制御する能力を鍛えます。この「制御」は感情にも働くと予想され、感情の抑制能力を高めることが期待できます。

まずは右手で「グー、チョキ、パー」、次に左手で「チョキ、パー、グー」をそれぞれ行い、スムーズにできるようになったら、両手を同時に動かしましょう。できるだけ早く、30秒間で4周続けて行えるまで練習してください。

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