脳のはなし

カマンベールチーズは認知症予防効果の期待大!?

健康食品として注目を集めるチーズやヨーグルト、牛乳などの乳製品。その中のカマンベールチーズに認知症の予防効果があることが2019年に国際科学雑誌『JAMDA(Journal of the American Medical Directors Association)』で発表されました。

この研究は、桜美林大学と東京都健康長寿医療センター、明治の共同研究チームがカマンベールチーズの摂取とBDNF(脳由来神経栄養因子)との関連を調べたものです。BDNFとは、脳の神経細胞の成長を促進するものですが、加齢とともに低下していくため、認知症予防に関連するのではないかと考えられています。

研究は、東京都に住む70歳以上の高齢女性689人のうち軽度認知症(MCI)と診断された71 名を対象に、市販の6ピースカマンベールを食べる人と、市販の6ピースプロセスチーズを食べる人のチームを無作為に分けて、1日2ピースずつ3カ月間チーズを摂取してもらい 、それぞれの血中BDNFを調べました。

その結果、カマンベールチーズを食べたチームのほうが、プロセスチーズを食べたチームに比べて血中BDNFが6.2%も上昇したことが明らかになりました。

これまでマウスの研究では食品摂取でBDNFが上昇することが報告されていますが、ヒトがカマンベールチーズを摂取することでBDNFが上昇したという研究成果は世界初ということで注目を集めています。

カマンベールチーズは食べやすく、女性にも男性にも人気のチーズです。普段の食生活に取り入れてみてはいかがでしょう。

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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