脳のはなし

「自分の顔」がやる気アップの引き金!?

デスクの上に鏡を置いて、自分の顔を映す。それが、仕事や勉強のやる気を高めるかもしれない。そんな可能性を示す研究が昨今、発表されました。

 大阪大学大学院生命機能研究科の研究グループが脳神経科学の専門誌『Cerebral Cortex』に発表した研究によると、20代の女性22人に自分の顔を含む顔写真を0.025秒という短時間でサブリミナルに表示したところ、自分の顔が表示された時に、脳の神経伝達物質「ドーパミン」を放出する中枢が強く活動することが判明。

これまでも、人は自分の顔に対して素早く反応することが知られていましたが、その脳の仕組みが世界で初めて明らかとなりました。

ドーパミンを放出する中枢はやる気との関連が強いことから、自分の顔を認識することで潜在意識に働きかけて、やる気を意図的に高める技術への応用に期待されています。

同大学の認知神経科学の専門家は、「自撮り写真」に対する人の認識についての研究も進めているといいます。オンライン会議では自分の顔を一番目につくところに映し出したり、仕事スペースに鏡を常備するなどで、仕事や勉強のモチベーションを上げることにつながるかもしれません。

参考:https://academic.oup.com/cercor/article/31/10/4420/6227018

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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