脳のはなし

原因不明の疲労感、思考力の低下、鬱々…は、脳の炎症から!?

全身を重苦しくする倦怠感に悩む人は少なくありません。「慢性疲労症候群」と呼ばれ、原因がはっきりと分からないことが多く、睡眠や食事を改善しても症状がなくならないまま。仕事や日常生活にも支障が出るうえ、周囲の理解が得られずに「怠け病」呼ばわりされることもあるようです。

ところがこうした原因不明の疲労感や思考力・集中力の低下、精神的な落ち込みなどが、脳の炎症から来るケースがあることが、昨今、わかってきています。

理化学研究所の研究によると、先のような主訴を持つ患者の脳を調べたところ、脳神経系の炎症が発生していることが判明したのです。扁桃体が炎症すると「認知機能障害」、海馬が炎症すると「抑うつ症状」、視床の炎症で「頭痛や筋肉痛」になるなど、炎症の場所と症状に相関があることも確認されました。

先のような症状のほか、微熱やリンパ節の腫れ、関節痛や睡眠障害などが現れるケースも。研究者は「今後は血液検査で患者を診断し、専門病院を紹介することもできるようにある」と語っています。現在は、脳の検証を抑える薬剤の投与による効果の研究も進められています。

もし、原因不明の疲労感に長らく悩んでいる場合には、一度脳の検査を受けることも検討してはいかがでしょうか。

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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