脳のはなし

おなかの強化が脳の強化につながる!?

「心と体はひとつ」とよく言われますが、同じように「脳と腸の健康は連動している」ともいえます。ストレスや緊張でおなかが痛くなったり、下痢をしてしまう「過敏性腸症候群」の人は世界的にも全人口の4%強いるといわれています。さらに、「胃腸の調子が悪い」人はさらにその10倍いるといわれています。

腸と脳の関係性について研究している東北大学病院心療内科の福土審教授は「腸には独自の神経細胞ネットワークがあり、脳とつながっている。腸の健康は脳の働きに影響することも解明されています」といいます。

実際に、健常な人は回答に迷う問題に対して脳の前頭前野が活性化しますが、慢性的に胃腸の調子が悪い人は迷いが生じて間違う可能性が高まることが同教授の研究で分かっています。

また、逆に腸に有益な細菌を与えて腸内環境を整えると脳機能も改善することも、最近の研究で明らかになりました。ヤクルト中央研究所と徳島大学の共同研究によると、学科試験を控えた医学部生に乳酸菌飲料を摂取させたところ、睡眠時間の長さが改善され、ストレス時に分泌されるホルモン「コルチゾール」の分泌量が抑制されることが分かりました。

「自分はお腹が弱い」という自覚がある方は、腸にやさしい食生活に改善することで、脳のコンディションアップにもつながる可能性があります。まずは食卓に毎回、食物繊維や発酵食品を含む食品を並べることをおすすめします。

参考:https://www.wageningenacademic.com/doi/10.3920/BM2016.0150

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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