2022.10.04
超加工食品の摂取が多いと認知症リスクがUP
高カロリーの清涼飲料やスナック菓子などの超加工食品を食べ過ぎている人は、あまり食べない人に比べ、認知症を発症するリスクが高くなる可能性があるという研究が、中国の天津医科大学のHuiping Li氏らの研究グループよって、2022年に医学誌「Neurology」で発表されました。
超加工食品とは、砂糖や脂肪、塩分、添加物が多く、タンパク質と繊維が少ない加工食品のこと。具体的には、ポテトチップスなどのスナック菓子、カップ麺、菓子パン、クッキー、アイスクリーム、ソーセージ、フライドチキン、ピザ、ケチャップ、マヨネーズ、フレーバーヨーグルト、フレーバーシリアルなどです。コロナ禍で、こうした超加工食品を食べる機会が増えたという人もいるのではないでしょうか。
この研究は、イギリスの大規模な健康情報を含むデータベースであるバイオバンクの参加者の中から55歳以上の7万2,083人を対象に、2回以上のアンケートを行い、参加者の超加工食品の1日あたりの摂取量を計算。参加者を摂取量が最も低いグループから、最も多いグループの4つに分けて、認知症発症の関連を調査したものです。10年間で518人が認知症と診断され、うち287人がアルツハイマー型認知症を、119人が血管性認知症を発症しました。
その結果、超加工食品を最も食べていたグループは、最も少なかったグループと比べ、認知症発症率が25%高く、アルツハイマー型認知症は14%、血管性認知症28%と、それぞれの発症率も高いことがわかりました。また、超加工食品の摂取量が10%増えるごとに、認知症の発症リスクは25%高くなることも明らかになりました。
さらに、研究グループは、超加工食品の 10%を新鮮な果物、野菜、豆類、牛乳、肉などの未加工品、もしくは最小限の加工食品に置き換えた場合についても調べた結果、認知症のリスクを19%低下させる可能性があることが示されました。
超加工食品を10%減らすために、未加工品などの食べる量を50g増やせばいいのだそうです。例えばりんご1/2個、とうもろこし1本、食物繊維の多いふすまシリアル1杯分を食べるとこの量に相当します。
超加工食品の摂取量が増えたという人は、認知症を予防するために加工されていない食品を選んで食べるようにすることが大切です。
参考)https://www.sciencedaily.com/releases/2022/07/220727163045.htm
川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者
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