脳のはなし

膝の痛みが脳の老化を加速させる!?

「歩くことが、脳の老化をゆるやかにする」ということは、様々な研究で明らかになっている事実です。脳の神経細胞の活動を支える栄養分である「「BDNF(脳由来神経栄養因子)」を増やし、神経細胞間で情報を送り合う神経線維を長くしたり、枝分かれを促進。結果、脳の体積を増やして、より働きやすい脳にしてくれることが分かっています。

そして、この逆もしかり――「よく歩かない生活は、脳を老化させる」ということも事実であることが、昨今の研究で明らかになりました。

アメリカ・フロリダ大学が行った研究によると、「身体能力に影響が少ない膝の痛みがある」「影響の大きい膝の痛みがある」「痛みナシ」の3つのグループに実験参加者を分け、歩行や座って立つ、バランスをとるなどの動きや痛みの自己申告を調べ、脳のMRI画像を計測。
そこから、脳の予測年齢を割り出したところ、痛みの影響が大きいグループがそうではないグループと比べて、脳の老化がより顕著であることが分かりました。

膝の痛みがあるほど、身体能力スコアが低下しており、それに伴って脳年齢もより老化していることが分かったのです。
つまり、体を動かさない生活は、身体能力だけでなく、脳年齢も加速させてしまう…ということです。

体に痛みを起こさないように、日常から適度な運動とストレッチをする。それが、脳年齢を若く保つことにもつながります。

参考:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0197457223000277?via%3Dihub

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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