脳のはなし

読書は大人の脳も活性化させる!

読書は、知識や教養を深めたり、見聞を広めたりするなど人間を豊かにする文化的な活動です。時には、物語の登場人物に共感し、心が揺さぶられることもあります。これら全てが、脳を刺激すると言われています。

なぜ、本を読むと脳が鍛えることができるのでしょう。
集中して読書すると、言語能力に関わるブローカ野やウェルニッケ野、記憶に関わる前頭前野といった広い範囲の領域が活発に働くことがわかっています。
文章を読み進めていく中で、内容や要点を記憶し、思い出しながら次の文章を読むという作業を繰り返すことによって、脳の神経回路を成長させることができるからだそう。

ただし、テレビやスマホと一緒のながら読みやダラダラ読みはNG。集中して読まないと、脳は活性化しないので注意しましょう。集中して読むためにも難易度は、自分にとって簡単すぎず、難しすぎないものがオススメです。

では、本の内容は、どんなものがいいのでしょう。ビジネスや教養、物語、推理小説、ファンタジーと、いろいろありますが、ジャンルによって脳が活性化するという興味深い研究があるようです。

物語を読んだ時の脳活動を比較したGallagherらの研究によると、「心の理論」に関係する脳の領域が活発になったという報告があります。「心の理論」は、登場人物に共感したり、意図を慮ったりといった社会性を支える機能で、内側前頭前野、側頭極、側頭頭頂接合部にある領域です。物語を読むことで、他人の気持ちを理解したり、共感したりといった、社会性を養うことができるのではないかと言われています。

推理小説やファンタジーといった本のジャンルによって、活性化する脳の領域が異なるという研究もあるので、いろいろなジャンルの本を読んで、脳のさまざまな領域を刺激してみませんか。

Gallagher,H.L.,Happé,F.,Brunswick,N.,Fletcher,P.C.,Frith,U.,&Frith,C.D.(2000).Reading the mind in cartoons and stories:an fMRI study of ‘theory of mind’in verbal and nonverbal tasks.Neuropsychologia,38(1),11-12.

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