脳のはなし

朝ごはんは、パンより米のほうが脳にいい!

脳を午前中からフル稼動させ、仕事や勉強のパフォーマンスを高めるには、脳のエネルギー源となる、朝ごはんを食べることが重要です。

脳は炭水化物から作られるブドウ糖を栄養として動きますが、エネルギーが供給されないと働きません。朝ごはんを食べなければ、当然、午前中はボーッとして脳が働かず、昼食後からしか活動できないということです。

ブドウ糖は、米やパン、麺類に多く含まれていますが、ブドウ糖を多く含む食材なら何でもいいというわけではないのです。

東北大学加齢医学研究所の朝食と脳の関係の調査結果を見てみましょう。主食に何を食べているかと、脳の様ざまな領域の灰白質の量がどう関係するかについて行われました。主食がパン群の人と比べ、ご飯群の人の灰白質量(かいはくしつりょう)が多いという結果でした。

朝食のイメージ写真

脳の灰白質とは、神経細胞が集まっている部位で、ご飯群の人の灰白質量が多い領域は、前頭葉にある下前頭回(かぜんとうかい)や側頭葉にある上側頭回(じょうそくとうかい)、大脳にある尾状核(びじょうかく)でした。これら領域は主に言語機能に関係するため、言葉の意味や言葉の概念の理解の高さと関係することがわかっています。

同じブドウ糖を含むパンよりもご飯のほうが脳にいいとされる理由は、ブドウ糖を消費するスピードを示すGI値(グリセミックインデックス)が影響を与えていると考えられています。

GI値はブドウ糖の代謝速度を表す数値で、数値が100に近いほど高く、ブドウ糖が早く消費されています。ご飯は食パンなどに比べGI値が低くブドウ糖の代謝速度が遅いため、脳が午前中しっかり働けるよう、ゆっくりと代謝して糖を供給できるということです。

ただし、ご飯だけ食べていればいいとされているわけではなく、野菜や肉、魚、大豆製品などおかずから吸収する栄養もかかせません。脳を働かせるためには、ご飯とおかずの組み合わせが重要です。ブドウ糖が使うには、ビタミンB1やクロム、リジン、アルファリポ酸などの補助栄養素が必要だからです。

忙しい朝、ご飯とおかずを用意するのは大変という場合は、昨晩の残りのおかずや、具沢山の味噌汁やスープなどを活用して一品増やすことから始めてみてはいかがでしょう。

※ ご自身の脳についてもっと知りたい方は、川島隆太博士監修の「脳のはなし 6日間無料メール講座」の受講をおすすめします。

  • 脳活動と日常生活の関係性
  • 現在脳科学でわかっている事実
  • 効果的な脳の鍛え方

などを6日間にわたってメールでお伝えします。
ご登録はこちらから