【免許更新】運転技能検査の対象となる11の違反行為
2022年5月に施行された新しい道路交通法では、75歳以上で過去3年間に一定の違反歴がある場合、免許証更新時に運転技能検査の受検義務化がスタートしました。
その背景には、違反歴のある高齢運転者の事故の多さがあります。
警視庁の統計によると、75歳以上で違反歴のある運転者の場合、重大事故を起こす確率が通常よりも約2倍も高くなることが分かりました。
そのため、違反者に対しては改めて安全運転のための運転技能を検査することが、義務化されることになったのです。
「一定の違反」とは、以下の11種類です。
- 信号無視
- 交通区分違反
- 通行帯違反
- 速度超過
- 横断等禁止違反
- 踏切不停止等遮断踏切立ち入り
- 交差点右左折方法違反等
- 交差点安全進行義務違反等
- 横断歩行者等妨害
- 安全運転義務違反
- 携帯電話使用等

運転技能検査では、決められたコースを走行しながら指示速度による走行、一時停止、右折・左折、通過、段差乗り上げなどの試験が行われます。100点満点からの減点方式で、第一種免許の場合の合格ラインは70点以上、旅客運送のために必要な第二種免許の場合は80点以上です。
警視庁の発表によると、導入から半年後の11月の時点で、検査の合格率は88.9%であることが分かりました。
そもそも、基本的な運転技能は9割の高齢運転者が備えていながら、それでも違反はしてしまう…ということが浮き彫りとなりました。
運転技能はもちろん、安全運転を当たり前とするマインドも、同時に備えておきたいものです。
川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者