【認知症】高血圧・肥満・糖尿病

【認知症】高血圧・肥満・糖尿病

【認知症】高血圧・肥満・糖尿病

 日本人に多い生活習慣病といえば、高血圧と糖尿病です。高血圧は日本人のおよそ3人に1人、糖尿病は5人に1人が発症するといわれています。

 そして、どちらの病気においても発症の引き金になっているのが、肥満です。健康をあまり意識していない人が病気になる兆候として、最初に現れるのが肥満。その後に高血圧や糖尿病へ…と、ドミノ倒しのように関連しているといえます。

 そして、このドミノ倒しの先には、認知症が存在しています。

 2020年の科学雑誌『Lancet(ランセット)』で発表された「認知症発症に関わる12のリスク要因」によると、認知症発症リスクが、高血圧と肥満で1.6倍、糖尿病が1.5倍に高まることが指摘されています。

 血管がボロボロになりやすい糖尿病と高血圧は、「血管性認知症」の要因になることが、以前から指摘されてきました。

 肥満からメタボリックシンドロームになれば、血管の動脈硬化が進みやすくなるため、やはり脳出血や脳梗塞を引き起こし、血管性認知症のリスクは高くなります。

 とはいえ、この3要因は、まだ黄色信号であれば、いずれも生活改善で予防することが十分に可能です。適度な運動と生活改善でまずは減量すること、血糖値、血圧の数値を改善することを目指していきましょう。

 すでに健診などで発症を指摘されている場合には、速やかに医師による治療を受け、できる限り早く改善して、脳の血管を守ることが重要です。

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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