【合格脳にするための基礎知識①】
「合格する脳」ってどんな脳?

こんにちは、脳科学者の川島隆太です。
私の長年の研究から、偏差値をアップさせる、成績を伸ばすためには、「生活習慣」と「脳を鍛えること」が大切だということがわかっています。生活習慣とは、きちっと寝る、そして食べる、この基本ができないとどんなにがんばっても試験の成績は上がりません。
生活習慣については、追々お話をしますので、まず今日は、中学受験や高校受験を控えているみなさんのために、「希望する学校に合格できる脳とはどんな脳なのか?」についてお話していきましょう。
まず、入試ではどんな能力が試されるのかについて、見ていきましょう。
一つは、学校で学んだ知識がちゃんと根付いているかどうか。そのためには、覚えるための記憶力と理解力が必要ですね。
そして、その知識を応用できるかどうか。例えば算数で「割合」の出し方を学んだとしたら、その応用問題としては「1000円の商品を買ったとき、消費税(8%)の場合の合計額を答えなさい」といったものが考えられますね。こうした基礎知識を理解していないと解けないものが、応用問題です。ただ暗記しただけではなく、仕入れた知識を理解しているかどうか。それを使って問題解決ができるかどうかを試されます。
また、ある問題をよく考えて頭の中で整理できるか、答えを見つけるために論理的に考えることができるかどうかを問われる問題も、すべての教科において出ることがあるでしょう。
さらにレベルの高い学校を受けるとなると、今度は自分の考えや意見を分かりやすく伝えることができるか。与えられた問題に対して自分なりの解決策や独創的なアイデアを出すことができるか。そんな能力を問われることもあります。
つまり、記憶力、理解力から読解力や思考力、創造力など、人間だからこそ持ち得る能力がまんべんなく備わっている脳が、「合格する脳」というわけです。
様々な能力が備わっている脳には、よく働くうえ、素早く動く「高速ネットワーク」が装備されています。
脳の中には無数の神経細胞があり、それらがそれぞれ手を伸ばして、情報を伝え合ってます。それが、情報の通り道になっているのです。
この通り道がよりたくさん、より太くなっていると、脳は情報を正確に、活発に、速く伝えることができるようになる――つまり、「高速ネットワーク」ができるわけです。それこそが、受験する上でみなさんの最も強力な武器になるでしょう。
先に答えを言ってしまうと、脳に高速ネットワークを備えるために絶対必要になるのが「脳トレ」です。みなさんの脳にスイッチが入り、メキメキと高速ネットワークが広がっていくことになるのです。
では、具体的にはどんな脳トレをすればよいのでしょうか?
次回からは、それについてお話します。