脳のはなし

感情コントロール力は脳トレで向上する

ささいなことで怒鳴ったり、泣き出したり、あるいは特に理由もないのに不安や落ち込みにとらわれたり…。感情の起伏が激しく、理性で抑えられないような状態になることがあります。

強いストレスを受けることが引き金になることもありますが、認知症の症状として現れることもよくあります。それはすなわち、脳の認知機能が衰えることで起きるということ。感情コントロールは、人間らしい高度な働きを行っている脳の前頭前野が担っており、その機能が衰えることで、怒りっぽくなったり、落ち込みやすくなったりするのです。

突発的な感情を抑制し、理性でコントロールする力は、脳の働きをよくすることで抑えることが可能です。脳の働きを良くする方法といえば、簡単な読み書き計算をしたり、なるべく早く音読するといった、脳トレをおすすめします。

そうはいっても「早く計算したり、音読できるようになっても、理性や感情とは関係ないんじゃないの?」といった疑問を持つことでしょう。ところが、脳の処理速度を上げたり、作動記憶(ワーキングメモリー)を向上したりするトレーニングを行うことで、直接関係しない能力が向上することが、科学的に明らかになっています。

それは「転移の効果(トランスファーエフェクト)」と呼ばれる現象で、感情のコントロール力だけでなく、独創的なアイデアを生む創造力や、理知的な思考力などを同時に高めることがわかっています。

脳トレで計算力や記憶力を高めることで、我慢したり、前向きになる心を取り戻すことが可能、ということです。最近、どうもイライラや不安感が強い…と感じた時には、ぜひ読み書き計算など脳トレで脳を活性化してください。

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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