脳のはなし

思春期の睡眠で「朝型」「夜型」が決まる!?

朝からスッキリ目覚めて元気いっぱいな「朝型」、朝は寝ぼけてぼんやりしているのに、夜になるとイキイキしてくるのが「夜型」……そんなイメージを持つ人は多いことでしょう。

これまでに、そんな朝型・夜型に対しては、個々人の体質なのか、好みのライフスタイルによるものなのか…判然としないものでしたが、最新の研究では、これは「思春期の睡眠行動に影響を受ける」ということが判明しました。

209人の青年期の男女を対象としたメルボルン大学の研究では、12歳から19歳までの睡眠行動が脳の構造にどんな影響を与えるのかを調べたところ、思春期の初期段階である12~13歳頃に夜型にシフトした子は、朝型の子に比べて脳の白質の発達が阻害されることが分かりました。白質は認知機能や感情と関連が強い部位です。
実際に、夜型の子は数年後に、攻撃性や反社会的行動の問題を抱える可能性が優位に高くなることも判明しました。

 成人した大人でも、1日寝不足になるだけで記憶力や感情の抑制力は格段に低下します。それが、発達段階の思春期時期の青少年にとっては、脳の構造さえも変えてしまうほどのダメージを追ってしまうということが、科学的に明らかになりました。
同研究の研究者は、「夜型から朝型へのシフトも可能」と語っています。

昔から家庭内でしつけられる「早寝早起き」は、健全な脳の育成のためにも必須。おやごさんは、朝日を浴び、体を軽く動かし、朝ごはんを食べる…そんな気持ちの良い朝活習慣をお子さんといっしょに行いながら、脳の健全な発達を促していきましょう。

参考:https://acamh.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jcpp.13718

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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