脳のはなし

予備軍MCIから認知症を発症するまでの期間

MCIと診断されたからといって、すぐに認知症を発症するわけではありませんが、MCIの段階で治療や予防対策をしないまま放置してさらに認知機能が低下すると、1年間で10〜14%、4年間で約50%※の人が認知症を発症するという報告もあります。

ただし、5年間で約50%の人が発症するという高い確率で移行するというデータがある一方、MCIの段階であれば、治療や食事、睡眠、運動、認知機能トレーニングを取り入れるなど生活習慣を改善するなど予防対策をとることで、進行をとめることも、発症の期間をなだらかにすることもわかってきました。

中には、予防に積極的に取り組むことで発症せずに正常の状態に回復するという報告もあります。本人や家族がMCIと診断されると、本人や家族はショックを受け将来に不安を感じます。けれども、この段階であれば発症時期を遅らせることも、改善することも可能な時期だといえるのです。

認知症は65歳以上の人に多く見られる病気ですが、改善が可能なMCIの段階で発見できるように、40〜50代から予防を心がけたいものです。もの忘れの頻度が増えたときは年齢のせいにせず、医療機関に相談し、早期治療をはじめることが大切です。

健常から認知症
出典)
Petersen,R.C,Smith,G.E.,Waring,S.C.,et al.:Mild cognitive impairment.Clinical characterization and outcome.Arch Neurol,56; 303-308,1999

※ ご自身の脳についてもっと知りたい方は、川島隆太博士監修の「脳のはなし 6日間無料メール講座」の受講をおすすめします。

  • 脳活動と日常生活の関係性
  • 現在脳科学でわかっている事実
  • 効果的な脳の鍛え方

などを6日間にわたってメールでお伝えします。
ご登録はこちらから