脳のはなし

暑い季節は“脳の熱中症”に注意!

猛暑になると、熱中症にかかるリスクが急上昇します。熱中症になると、体内に熱がこもることによる多臓器不全に陥り、心臓や肝臓といった命に係わる臓器にショックを与える状態になります。

脳もまた、命に係わる臓器ですから、熱中症になれば当然、ダメージを受けてしまいます。特に、脳は硬く丈夫な頭蓋骨で守られているため、熱がこもりやすいといえます。そのため、熱中症にまで至らなくても、気温によって大きくパフォーマンスが左右されるということがあります。

脳の温度を下げているのは、自律神経です。自律神経は外気温の変化に合わせて体全体の温度を調整してくれていますが、急激な気温変化にたびたびさらされると、その働きを乱してしまうことがあります。そうすると、脳の温度調整もうまくいかなくなり、頭がボーっとして集中力が続かなくなったり、頭痛を起こしたりすることに。

そんな“脳の熱中症”を防ぐには、急激な温度変化がないようにエアコンを上手につかって室温が一定になるように調整をしましょう。外出のときには保冷材で首の後ろを冷やすなど、脳の温度が上がり過ぎないように注意してください。

また、のどの渇きを感じるほど体内の水分が足りない状態になると、認知能力が落ちることも分かっています。脳が脱水状態にならないようにこまめな水分補給をすることも、脳のパフォーマンスを守ることにつながります。

参考)https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnhum.2013.00363/full

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

※ ご自身の脳についてもっと知りたい方は、川島隆太博士監修の「脳のはなし 6日間無料メール講座」の受講をおすすめします。

  • 脳活動と日常生活の関係性
  • 現在脳科学でわかっている事実
  • 効果的な脳の鍛え方

などを6日間にわたってメールでお伝えします。
ご登録はこちらから