脳のはなし

大人も要注意! ゲームした後は脳が働かない!

通勤時間や仕事の休み時間、帰宅後にゲームを楽しんでいる中高年の姿をよく見かけます。ゲームが子どもの脳に悪影響を及ぼすといわれてきましたが、これは大人も同じです。

ゲームは、手指を動かしながら脳を使っているように見えますが、働いているのはほんの一部で、前頭前野が働いたとしても、それは最初のうちだけです。脳は一度ゲームのやり方を覚えてしまうと、前頭前野に抑制がかかってしまいます。

スマートフォンでゲームするイメージ画像

前頭前野に抑制がかかるとどのようなことが起きるのでしょう。ゲームをする前とした後に、前頭前野の働きがどうなるかを調べた東北大学加齢医学研究所の報告があります。
実験は大学生を対象にゲームを行う前と、30分間ゲームを行った後に言語に関する課題と図形の問題を解くものです。

ゲーム前に図形と言語に関する課題を行うと、脳の後ろの領域と前頭前野が働くことがわかりました。次にゲームを行うと、脳の後ろにある視覚情報を司る領域は活発に働く一方、前頭前野の働きには抑制がかかった状態になりました。ゲーム後、同じように言語と図形の課題を行うと、脳の後ろはさらに活発に働きますが、前頭前野は抑制がかかったままで、働きが悪くなったのです。

この実験から脳は筋肉に近い性質があり、よく使う脳の領域は活発になりますが、休ませてしまった前頭前野は、いざ使おうとしてもなかなか働かず能力が発揮できなくなるのではないかということがわかりました。

仕事前に息抜きや気分転換のつもりでゲームをしたとしても、かえって仕事の効率を下げてしまいます。仕事前は、前頭前野を鍛える脳トレや読書をするほうがいいようです。

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