脳のはなし

記憶力、感情コントロール力、創造力が一度に鍛えられる方法

「2+4」「1+3」など、簡単なひとケタの計算は誰もが難なく解くことができます。ところが、連続する計算の解答をずっと忘れずに覚えておき「2番目の計算を終えた時に1番目の計算の解答を答える」となると、やや戸惑うかもしれません。

さらに、3番目の計算の後に1番目の計算の解答を答える、4番目の計算の後に……となると、一定のトレーニングが必要になります。計算と解答の間をあけていくほど難易度が上がるこの課題を「Nバック計算」といいます。

Nバック計算は脳トレのなかでも有名な方法で、ゲームやアプリとしても人気です。2つ前の計算式の解答を答える2バック、それができたら3つ前の計算式の解答を答える3バック、次に4バック……といったかたちで、慣れてくるとどんどん難易度が上げていけるのが面白いところ。頭の回転速度と記憶力の両方を鍛え上げるのに非常に効果的な方法です。

さらに面白いことに、東北大学で行った実験では、Nバック計算を続けることで回転速度や記憶力だけでなく、前頭前野という高度な処理を行う脳の器官に関わる能力が総じて上がることが分かりました。つまり、判断力や感情を制御する力、創造力などが向上し、さらに、不思議なことに運動能力までもアップしたのです。

私もNバック計算をすることは毎日の日課で、今では20バック以上までできるようになりました。自分でひとケタの計算を作ってもできますし、アプリや脳トレゲームもあるので、やりやすい形でぜひチャレンジしてみてください。

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

※ ご自身の脳についてもっと知りたい方は、川島隆太博士監修の「脳のはなし 6日間無料メール講座」の受講をおすすめします。

  • 脳活動と日常生活の関係性
  • 現在脳科学でわかっている事実
  • 効果的な脳の鍛え方

などを6日間にわたってメールでお伝えします。
ご登録はこちらから