脳のはなし

認知機能を高める毎朝の習慣とは!?

脳を積極的に使うことは、脳の認知機能を高める。そのことは、みなさんもよくご存じのことでしょう。使わなければ衰えるのは、動物の基本原則です。

脳をよく働かせるためには、難しい課題に取り組んだり、人と話したり、音読をしたり、簡単な記号や言葉を記憶するなど、いろいろな刺激方法があります。しかし意外なことに、「歩く」ことが脳の認知機能を高めるのに非常に効果的であることがわかっています。

2019年に西オーストラリア大学が行った実験によると、55~80歳の男女65人の認知機能や集中力などを測定したところ、ウォーキングを行った群は各テストのスコアが高くなることが分かりました。また、脳の活動を支える栄養分「BDNF(脳由来神経栄養因子)」の値も高く維持されることも明らかになったのです。

70~89歳の健康な高齢者に、週に150分以上の歩行を1年間続けてもらったところ、何もしなかった層と比べて脳機能が高い傾向があることが分かった実験結果もあります。

どうも脳トレに気が乗らないな……という日は、せめて朝にやや速足の散歩をしたり、いつもは車で行くコンビニに歩いていく、など脚をよく動かすことをお勧めします。体だけでなく、脳の健康を保つことにつながります。

参考:Distinct effects of acute exercise and breaks in sitting on working memory and executive function in older adults: a three-arm, randomised cross-over trial to evaluate the effects of exercise with and without breaks in sitting on cognition. Br J Sports Med.2020 Jul;54(13):776-781.

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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