脳のはなし

コーヒーやお茶を飲む人は認知症リスクを軽減させることに

コーヒーやお茶の効用についてこれまで様々な研究が報告されてきました。コーヒーやお茶を飲んでいる人は、脳卒中と認知症のリスクが減少する可能性があることを2021年に中国の天津医科大学のYuanZhang氏らの研究グループが、『PLOSMedicine』で発表しました。

この研究は、イギリスのUK Biobankに登録された50〜74歳の中高年365,682人を対象に調査したものです。参加者は2006年から2010年の間に研究に参加し、コーヒーやお茶の消費量のほか、性別、年齢、収入、生活習慣、病歴などをベースに2020年まで追跡調査されました。

調査期間中に5,079人の参加者が認知症を発症し、10,053人は少なくとも1回の脳卒中を経験したことが報告されています。

研究の結果、毎日2〜3杯のコーヒーと2〜3杯のお茶を飲んだ人は、飲んでいない人と比べ脳卒中のリスクが32%低く、認知症のリスクが28%低いということも明らかになりました。

この結果から、研究グループは、コーヒーとお茶を別々に、または組み合わせて適度に摂取すると、脳卒中や認知症のリスクが低くなる可能性があると報告しています。
ただ、これらの因果関係について、不明なことが多いため、研究グループは引き続き研究を続けることで、今後の認知症治療に役立つのではないかと述べています。

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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