脳のはなし

学習効果を高めるある飲み物とは?

「最近どうも、物覚えが悪くなってきた…」。
年齢を重ねるほど、そんな悩みを持つ人は多くなってくるものです。実際に、一時的に情報を記憶しておく能力である「ワーキングメモリー」は、中年期からゆるやかに下降することが分かっています。

仕事上必要なことを覚えたり、資格試験の学習をするときにあまりにも物覚えが悪いと、「記憶力がよくなる薬があればいいのに…」「ドラえもんが持っている暗記パンが欲しい!」と嘆きたくなるものです。

昨今、そんな願いをかなえてくれる飲み物があることが、科学的な研究で明らかになりました。学習後の一杯のコーヒーが、記憶力を高める可能性があることが分かったのです。

アメリカ・ジョンズ・ホプキンズ大学の研究チームが行った研究によると、コーヒーやお茶に含まれるカフェインには、眠気を覚ますだけでなく学習後に摂取することで記憶力を高めることが判明しました。

コーヒーを飲む習慣がない160人(平均年齢20歳)を、200mgのカフェインを飲む群と偽薬を飲む群に分け、様々な絵を見せた後に服用してもらった。翌日、細部が異なる似た絵を見せて区別するテストを行ったところ、カフェインを飲んだ群のほうが正確に解答できることが分かりました。
ちなみに、最初に絵を見る前にカフェインをとっても正答率が上がることは確認できませんでした。

つまり、覚えたいものを見た後にカフェインを摂取することで、記憶力が向上する可能性があることが示唆されたのです。

最近、どうも覚えが悪い…。どうしても記憶しておきたいことがある…。そんなときには、学習の後に濃い目のコーヒーを飲むことで、記憶をサポートすることが期待できそうです。

参考:https://www.nature.com/articles/nn.3623

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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