脳のはなし

批判や皮肉が認知症リスクを高める!?

喫煙や飲酒、睡眠不足やストレス、長時間のスマホ使用など、脳にネガティブな影響を与える因子は、さまざまな研究で明らかになってきました。
そしてさらに、最近の研究ではある種の性格や人格が、脳へネガティブな影響を与える可能性があることも明らかになりました。

東フィンランド大学の脳神経学者、アンナ・マイジャ・トルパネン博士が科学雑誌『Neurology』に発表した論文によると、「高レベルな皮肉や不信感を持つ人々は認知症のリスクが高い」ということが判明。

同研究では、認知症の検査を受けた1,449人(平均年齢71歳)に対して、皮肉のレベルを測定するアンケートを実施。その結果、皮肉や不信のレベルが高い人ほど認知症発症のリスクが高まることが分かったのです。逆に、不信のレベルが低い人は、高い人と比べると、3分の1のリスクに留まることも分かりました。

皮肉な性格が脳にどのような影響を与え、認知症リスクを高めるのかはまだ不明ですが、いずれにしてもネガティブな人格が、脳にネガティブな影響を与える可能性が高いことは明らかでしょう。

最近では、SNS上で激しいバッシングによる炎上騒ぎが多く見受けられます。そこに加担することは、もしかしたら自分の脳を損ねることにつながるかもしれません。
脳の健康のためにも、皮肉や批判からは距離を置くほうが無難であると、心しておくことをおすすめします。

参考:https://n.neurology.org/content/82/24/2205

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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