脳のはなし

「運動×学習」が最強の脳トレになる

温かく、天気の良い日が続く季節になると、外で運動したり、自然の中を散策したり、自然と身体を動かしたくなります。

私たち人間は「動物」ですから、身体をほどよく動かすことで、始めて心身の状態を適正な状態に保つことができます。「運動不足は万病のもと」というのは、みなさんもよくご存じのことでしょう。

そして、「体を動かすことは脳にも良い」というのも、ここ数年の様々な研究によって確かな事実であることも分かってきました。その中の一つとして、子どもたちの身体活動と学習活動を組み合わせた研究例を、ここでは紹介しましょう。

オランダのフローニンゲン大学の研究は、6つの小学校の2年生と3年生のクラスを対象に介入グループと対照グループに分けて行われました。介入グループには、定期的な教室での授業に加え、活発に体を動かす授業が組み込まれました。

 結果、対照グループよりも、介入グループの数学と読書のテストの結果が有意に高くなることが分かったのです。
つまり、机の前に座って学習するだけよりも、定期的に体を動かす時間をとったほうが、より脳のパフォーマンスが高まり、学習の効果が高くなるということです。

この現象が子どもに限られるというのは、考えにくいでしょう。大人にとっても、同じ効果があると予想するのが自然です。

どうも最近、覚えが悪い。仕事への意欲も衰えている…というときは、もしかすると運動不足からきているのかもしれません。ウォーキングをしたり、ストレッチをするなど、仕事や学習の合間に軽く体を動かすことを試してみてください。

参考:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/josh.12259

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

※ ご自身の脳についてもっと知りたい方は、川島隆太博士監修の「脳のはなし 6日間無料メール講座」の受講をおすすめします。

  • 脳活動と日常生活の関係性
  • 現在脳科学でわかっている事実
  • 効果的な脳の鍛え方

などを6日間にわたってメールでお伝えします。
ご登録はこちらから