脳のはなし

「体を動かす」と認知症リスクが半減する

寒くなってくると、温かな部屋から外へ出ることがおっくうになるもの。腰が重くなり「一日中家でゴロゴロしていた…」と活動量が低下しがちです。
ところが…体を動かさない生活は、脳にとっては大きな損失につながるようです。

というのも、昨今の研究では身体活動が活発な人ほど、認知症リスクが劇的に低くなることが明らかになったから。しかも、ウォーキングやスポーツなどの「余暇身体活動」に限らず、通勤や仕事中、家事の際に体を動かす「生活身体活動」にも、その効果があることが分かったのです。

新潟大学が行った研究によると、40~74歳の1万3773人を対象に行ったアンケート調査を解析したところ、余暇身体活動量が「多い」グループは、「しない」グループと比べて認知症リスクが0.55倍…つまり、約半減することが確認されました。
さらに、生活身体活動量が「多い」グループも、「少ない」グループと比べて認知症リスクが0.52倍と、やはり半減しました。
つまり、時間をつくって運動をすることと、家事や仕事で体を頻繁に動かすことは、同じぐらい認知症リスクを防ぐ効果があるということです。

運動が苦手だったり、忙しくてジムに通えないという人にとっては、生活活動量を高めるだけで脳にポジティブな影響が現れる、というのは朗報と言えるでしょう。
車で買い物をしていたのを自転車にする。週に一度だった床のぞうきんがけを毎日する。最寄りの駅やバス停より、一つ手前で降りて自宅までウォーキングする。そんなかたちで、体を動かす機会を生活のなかで少しずつ増やしていきましょう。それが、生涯にわたって、認知症を遠ざけることにつながります。

参考:https://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/info/news_topics/204_index.html

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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