脳のはなし

脳の処理能力UP&気分高揚!ピアノで「弾く脳トレ」

子どもの習い事といえば、水泳や体操、英会話など、多種多様なものがありますが、昔からある定番人気といえば、ピアノでしょう。
以前、「東大生の多くはピアノを習っていた」といったまことしやかな噂が流れたことがありました。そのため、「子どもの頭がよくなる!」と、教育意識の高い親たちはこぞって子どもをピアノ教室へ連れていく…ということもよく耳にしたものです。
ところが、これは必ずしもまゆつばではなかったようで、「ピアノを弾くと頭がよくなる」ということを科学的に明らかにした研究が、昨今、発表されました。

イギリスのバース大学が行った研究によると、ピアノ未経験者の成人に週1時間のピアノ練習を11週間続けさせたところ、視覚と聴覚などの多感覚的情報を処理する能力が高まることが確認されました。
多感覚的情報を処理する能力は、車を運転したり、様々なリスクを避けながら道路を移動したり、人ごみの中で知り合いを見つけたり、テレビを視聴したりといった、私たちの日常のあらゆるところで必要になる能力です。

さらに興味深いのが、処理能力向上とともに、うつ症状や不安、ストレスが軽減することも確認されたということです。
研究者は「ピアノ練習は、メンタルヘルスの問題を抱える人たちにとっても有益な可能性がある」と語っています。

ピアノを弾くことは、目と耳に注意を向けながら、スコア通りに両手の10指を同時にコントロールするという、非常に複雑で高度な脳の処理が必要となる作業です。その複雑さが、成人後の脳を鍛えるには実に効果的であることが立証されました。

「子どもの頃に習っていたけど、最近は縁がなくなった…」「一度ピアノを習ってみたかった」という人は少なくないでしょう。脳を鍛えながらメンタルケアもできる、一石二鳥の趣味としてはじめてみてはいかがでしょうか

参考:https://www.sciencedaily.com/releases/2022/12/221202124841.htm

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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