脳のはなし

メンタルの不調は「メール中毒」が原因…!?

仕事やプライベートでメールを利用するのは現代人にとってはすでに当たり前の日常であり、いまや世界中で1日に送信されるメールの数は2000億通とも3000億通とも言われています。
スマホの登場でいつでもメールの送受信ができるようになり、私たちはその利便性を享受している反面、じつはあるリスクもしょいこむことになっています。
それは、過度なメールの利用による、脳とメンタルヘルスへの悪影響です。

東北大学が行った研究では、1152人の健康な成人を対象に、電子メールへの中毒傾向と、非言語知能、およびうつ病の関係を評価しました。非言語知能とは、思考力やコミュニケーション力と関連している知能で、人間らしい活動をするうえで重要な要素です。
その結果分かったことは、電子メール中毒傾向は、非言語知能、うつ病と負の相関があることが確認されました。
つまり、電子メール中毒の程度が高いほど、非言語知能が低く、うつ病の重症度が増加するということです。

数年前から「インターネット中毒」「スマホ中毒」という問題が表面化し、様々なアプリに対して注意喚起されるようになりました。しかし、ビジネスツールの代表ともいえる電子メールにもまた、脳にマイナスの影響があることが科学的に明らかになったことは、多くの人にとってはショックなことでしょう。

薬や飲酒、ギャンブルといった様々な中毒が世にはあふれていますが、インターネット関連のあらゆるツールにもまた、中毒性を孕んでいることをよく認識し、使用にはある程度の制限を設けることが必要ということです。
脳や精神の健康のためにも、ぜひ、もう一度電子メールとの付き合い方の見直しをすることをおすすめします。

参考:https://www.mdpi.com/2076-3425/12/10/1278

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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