脳のはなし

注意力を復活させる「ネイチャーウォーキング」

仕事でミスを連発したり、自動車の運転でちょっとしたアクシデントを起こしてしまったり…最近、どうも注意力が鈍っていると感じているなら、自然のなかで小一時間散歩するのがよい解決法になるかもしれません。

自然との触れ合いが、枯渇していた注意力を復活させる。そんなことを示唆する研究が、昨今発表されて話題になりました。

アメリカのユタ大学が行った研究では、参加者に注意力が必要な計算テストの実行後、緑あふれた環境を散歩するグループと都市環境を散歩するグループに分け、40分の散歩後に再びテストを実施しました。結果、緑がある環境で散歩したグループのほうが、注意力が優位に回復されていることが確認されたのです。

研究者は「都市部は常に過剰な刺激とタスクで絶えず注意システムを働かせているために注意力が低下、精神的疲労につながっている可能性がある。自然に触れることは、現代的な生活環境に伴う注意力の低下を和らげる効果があると考えられる」と述べています。

都市部に住んでいないとしても、常にパソコンやスマホでテクノロジーの刺激を受けている生活習慣を送っているとしたら、無意識のうちに精神的な疲労が蓄積していることもあるでしょう。もし、注意力の低下を感じているなら、自然豊かな場所を小一時間ほど散歩することをおすすめします。きっと、頭がすっきりとして、注意力も復活することでしょう。

参考)
https://www.nature.com/articles/s41598-024-52205-1

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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