脳のはなし

会話のリズムが合うと、脳波も同調する

会話をしていて、話題も言葉もお互いにポンポンと出てきて盛り上がり、「会話が弾む」ときがあります。そんな時間を過ごすとお互いに気分もよく、満ち足りた気持ちになるものです。
実はこのとき、会話だけではなく、脳波のリズムも同調していることが、研究で明らかになっています。

理化学研究所の研究によると、2者が言語コミュニケーションを行っているときの脳波を調査、解析したところ、発話リズムが同調したとき、脳波も同じく同調することが分かりました。面白いのは、一定のリズムで会話をする相手が機械の場合は、この現象が起こらなかったというところ。やはり、社会的な動物である人間は、自分以外のだれかと相対したときに脳が強く反応するのだということが分かります。

また、発話リズムが同調するペアほど、脳波リズムの同調も強くなる傾向があることも確認されました。「あの人は気が合うな」とお互いに感じる相手程、この会話と脳波の同調現象が強く起こっていると考えられます。

逆に、会話のリズムを意図的に相手に合わせてみると、相手から「この人は気の合う人だ」と思ってもらえるかもしれませんね。いずれにしても、人間のコミュニケーションにおいて、会話が非常に重要であると、脳は判断しています。相手の様子に合わせて「聞く」と「話す」のバランスをとりながら、テンポよく言葉をやりとりできるようにしたいものです。

参考):https://www.riken.jp/press/2013/20130422_2/index.html

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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