脳のはなし

ジャンクフードの食べ過ぎを脳は学習している!

太りやすく健康に悪いとわかっていても、ポテトチップスやハンバーガー、ピザ、チョコレート、ドーナツなどの脂質や糖質が多いジャンクフードは、食べるのをやめられないことがあります。

その理由を探った研究結果が、ドイツのマックスプランク代謝研究所とアメリカのイェール大学の研究グループによって、2023年に科学誌『Cell Metabolism』で発表されました。

この研究は、50人の男女を2つのグループに分けて、8週間にわたり調べたもの。一方のグループに通常の食事に加えて高脂肪・高糖分のプリンを、 もう一方のグループには、通常の食事に加えてカロリーは同じで脂肪の少ないプリンを8週間食べてもらい、その間の脳活動をMRIで測定しました。

その結果、高脂肪・高糖分のプリンを食べ続けたグループでのみ、脳内の神経伝達物質であるドーパミンが活発化していることがわかりました。

ドーパミンは、やる気や満足感、達成感を司る中心的な役割であり、そこが活性化するということは、脳が高脂肪・高糖分の味の嗜好性を学習し、無意識のうちに好むようになった可能性があるということです。

さらに高脂肪・高糖分の食品を食べ続ければ、人はその食べ物をより強く求めるようになり、低脂肪・低糖分の食品に魅力を感じなくなってしまうことが懸念されるということです。

高脂肪・高糖分のジャンクフードを食べる習慣がある人は、食べる回数をなるべく減らし、たまのご褒美くらいにするように心がけましょう。

出典):ドイツ マックスプランク代謝研究所 アメリカ イェール大学

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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