脳のはなし

3000歩増が認知症の原因の1つ高血圧を予防

これまでの国内の研究で、中年期および老年期の高血圧は、アルツハイマー型認知症や血管性認知症発症の危険因子だったという研究結果が報告されており、中年期からの血圧管理は重要と言われていています。

中高年になると血圧をコントロールするために、塩分・脂質を控えた食事や、ウォーキングやジョギングなどの運動する人も多いのではないでしょうか。

2023年にアメリカのコネチカット大学運動生理学の研究グループが発表した研究で、1日のこれまでの歩数を3000歩増やすと血圧を大幅に低下するという結果が報告されました。
この研究は、高血圧であり1日に座ったまま過ごす時間が長い、平均年齢年齢が73歳の高齢者21人を対象に実施したもの。参加者には、歩数計、血圧計、毎日どれだけ歩いたかを記録する日記などのキットが貸与されました。ちなみに調査前の高齢者の1日の歩数は平均約4,000歩でした。

その結果、歩数を3,000歩程度増やし、1日の歩数を7,000歩にすると、参加者の最高血圧は平均7ポイント、最低血圧は平均4ポイント、それぞれ低下することがわかりました。また、参加者の中には、降圧薬を服用している人もいましたが、歩数を増やすことで血圧の改善がみられたことから、降圧薬と同等の血圧管理の効果がえられる可能性が得られるのではないかということです。

1日3,000歩増やすのはかなり大変だというイメージを持たれる人もいるかもしれませんが、30分のウォーキングに相当します。帰宅時に1駅多く歩いたり、ランチ後に軽く散歩したりすることで、毎日3,000歩多く歩くことは可能です。認知症予防のためにも、今から1日プラス3,000歩を習慣にしてみてはいかがでしょう。

出典:アメリカ コネチカット大学

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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