脳のはなし

ウイルス感染後は「脳内炎症」に注意!

新型コロナ感染症の影響が徐々に下火になった昨今、今度はインフルエンザが大流行中となり、体調不良を訴える人が激増しています。検査で新型コロナやインフルエンザが陰性であったとしても、発熱後、しばらくは体がだるかったり、気力が戻らなかったりと、その後の生活や仕事にも大きな弊害が出るものです。

こうした発熱後の不調が、実は「脳の炎症」からきている・・・そんな事実が、昨今の研究で明らかになりました。

理化学研究所を中心とした国際共同研究チームはこのほど、ウイルス感染後に引き起こされる倦怠感に、「脳内の局所炎症が関わっていることを発見した」と発表。
ウイルスなどの病原体が感染すると、発熱や痛みなどの全身症状にとどまらず、解熱後も倦怠感や意欲低下などが長期に渡りますが、これらの倦怠感と、脳内炎症の強さが相関することが、ラットを用いた研究によって解明されたとのことです。

これまで、発熱後の倦怠感については、主体的な感覚であることからその実態や原因があきらかにされていませんでしたが、今後はこの研究をもとにその有効な緩和や治療方法の確立につながることが期待されます。

病後は熱が下がったとしても、倦怠感や気力低下がある場合には「まだ脳の炎症が残っているんだ」と自覚して、無理することなく十分に休息をとることが、全快の早道であると覚えておいてください。

参考) https://www.riken.jp/press/2023/20231124_2/index.html

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

※ ご自身の脳についてもっと知りたい方は、川島隆太博士監修の「脳のはなし 6日間無料メール講座」の受講をおすすめします。

  1. 脳活動と日常生活の関係性
  2. 現在脳科学でわかっている事実
  3. 効果的な脳の鍛え方

などを6日間にわたってメールでお伝えします。
ご登録はこちらから