脳のはなし

ストレスをためないことが認知症予防に

仕事など職業生活において、何に強いストレスを感じているかを調べた調査に厚生労働省の「労働安全衛生調査」があります。

2018年度の調査によると、「仕事の 質・量」が59.4%と最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生など」が34.0%、「対人関係」が 31.3%ということことが明らかになりました。この調査から、どの世代のビジネスマンも何かしらのストレスを抱えていることがわかります。

ストレスの中にはいいものもありますが、長期にわたるストレスや強度のストレスを受けると、記憶を司る海馬など脳に悪影響を及ぼすことがわかってきました。

原因はストレスによって分泌されるホルモン、コルチコイド。コルチコイドとは、本来はストレスによる脳の機能低下を防いだり、ストレスと戦うために必要な血糖値などのエネルギーを蓄える働きをしたりしている物質です。

けれども、ストレスを防ぐはずのコルチコイドが脳にたまると、神経の発達が阻害されて海馬の機能低下を起こすのだそう。さらに長期間、ストレスを受け続けると、やがて海馬の神経細胞を壊して萎縮することから、認知症のリスクを高めるといわれています。

ストレスにさらされる機会が多い働き盛り世代は、忙しさからストレスを自覚していない人もいますが、脳はストレスを感じていることがあるので注意が必要です。

第18表 仕事や職業生活に関する強いストレスの有無及び内容別労働者割合

出典)2018年「労働安全衛生調査」(厚生労働省)

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