脳のはなし

「仕事も勉強もオンライン」で前頭前野が衰える!?

思考力や想像力、感情のコントロールや計画性など、人間らしい高次な働きを担っているのが、脳の「前頭前野」。額の奥に位置している、人間が大きく発達させた脳の領域です。

この働きが衰えることで、先のような能力は低下し、感情的になったり考えがまとまらなくなったり、記憶力さえ低下することが分かっています。

コロナ禍以降、仕事も学校の勉強もオンラインで行われることが増えてきましたが、実は、前頭前野にとってはあまりよいこととは言えません。というのも、人は直接誰かの顔を見ながら会話をすることで、この前頭前野を活性化することが分かっているからです。そして、残念ながらオンライン会議やオンライン授業によるコミュニケーションでは、人間の前頭前野はあまり働かないこともわかっています。

とはいえ、終わりの見えない自粛生活の中で、直接人と対面することが制限されることはまだ避けられない状況です。であるならば、他の方法で意識的に前頭前野を働かせる生活習慣を取り入れることは必須となります。前頭前野を活性化させるには、次のようなことを生活のなかで実践してください。

  • 紙の本で読書する時間をつくる
  • 家族で食事をとるときはインターネット端末もテレビもオフにして目を合わせながら会話をする
  • 新聞をできるだけ速く音読する
  • 1日15分、百マス計算など簡単な計算をできるだけ速く解く

「最近、頭の働きが悪くなった」「落ち込みや怒りなどを強く感じるようになった」などの実感がある場合には、すぐに取り入れることをおすすめします。

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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