脳のはなし

ネイルカラーがパソコン作業中のストレスや倦怠感を軽減

女性に人気のネイルカラー。若い女性だけでなく、40代、50代など幅広い世代で手元のおしゃれを楽しんでいる人が増えています。キレイな色やデザインで美しく彩られた手元を見ているだけで、気分が上がるという女性が多いのではないでしょうか。

ネイルカラーを使用した時の心理状態やパソコン使用時のストレスに対する影響ついて検証した結果を、2022年に日本メナード化粧品株式会社が発表しました。

この研究は、8人の女性を対象に、16色のネイルカラーの中から「好きな色のネイルカラー」と「これまでに使ったことがない色のネイルカラー」を1色ずつ選んでもらい、ネイルカラーの使用前後における心理評価を行いました。

その結果、どの色のネイルカラーを使用した場合でも「気分が上がる」「心躍る」といったポジティブな気持ちの変化が見られたのだそうです。好きな色のネイルカラー、これまでに使ったことのない色のネイルカラーともにポジティブな心理効果があり、気分を変えてリフレッシュできるのではないかということです。

さらに、パソコン作業に対するネイルカラーの有効性についての調査では、10人の女性を対象に、10色のネイルカラーの中から「好きな色のネイルカラー」を選んでもらい、測定者が被験者にネイルカラーを塗布。その後、パソコンを用いて一定のタイピング作業を行った作業前後での心理評価と、脳の前頭前野の血流を測定するfNIRSを用いて作業中の内側前頭前野の脳血流反応を調べました。内側前頭前野は、心理ストレスや情動を処理すると言われている部位です。

図)パソコンのタイピング作業に対するネイルカラーの効果

その結果、ネイルカラーを使用した場合、作業に対する倦怠感が軽減され、内側前頭前野の脳血流の変化量が少ないことが確認されました。

内側前頭前野の脳血流は心理的ストレスを受けると増加することが知られているため、ネイルカラーには作業に対する心理的ストレスを抑える効果があるのではないかということです。また、ネイルカラーはパソコン作業による倦怠感とストレスを軽減させることで、作業効率を高める可能性があるとも述べています。

長期間に渡りストレスを受け続けたり、過度のストレスを受けたりすると、脳の様々な部位に影響を及ぼすことがあります。
コロナ禍の影響で閉塞感がありストレスが溜まりやすい時期は、ネイルカラーでリフレッシュするのもいいのではないでしょうか。

出典)日本メナード化粧品株式会社

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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