脳のはなし

言語知能を低下させるインターネット習慣

朝起きたらSNSをチェックして、通勤しながらスマホでネット記事を読み、帰宅後はやはりスマホで飽きるまで動画を視聴する――最近では、そんな流れで一日中、インターネットに触れ続ける生活スタイルの人は珍しくありません。

食事中も、片手はスマホを触っている…という人も多いことでしょう。

そうした過度なインターネットの使用が脳に悪い、ということが、世界中の研究によって明らかになってきたことは多くの方がご存じでしょう。実行機能や注意能力の低下や衝動性の増大などのほか、脳の様々な領域が縮小してしまうことも分かってきました。

そして昨今、我々が行った研究では、インターネットの過度な使用によって、子どもたちの言語性知能を低下させることも分かってきました。

平均18歳の224名の参加者に対して、インターネットを週にどの程度使用する習慣をヒアリングし、言語性知能、動作性知能、総知能、脳の灰白質量などを解析。3年後、その変化を分析したところ、インターネットを頻繁に使用するほど、言語知能と灰白質の発達が低下することが示唆されたのです。

成長期の脳発達を阻害するこの影響が、大人に対してはゼロであると考えることは難しいでしょう。成長後も、言語知能や脳神経に悪影響があると考えるほうが自然です。

子どもたちに対してはもちろん、我々大人たちもインターネットの使用に対してはもっと慎重になる必要があるといえます。一度、インターネットの使用については、家族みんなで話し合う機会を持つことをおすすめします。

参考)https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20180710_04web_internet.pdf(PDF)

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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