脳のはなし

日常的に脳疲労を感じている人は6割以上

日常的に脳疲労を感じる人が多いという調査結果が2022年に報告されました。この調査は、京都市の第一工業製薬株式会社が、全国の20~60代の男女500人を対象に、睡眠と脳の疲労に関する調査をしたものです。

調査の結果、60.8%の人が脳に疲労を感じていて、具体的には「物忘れがひどくなった」「人の名前を思い出せない」「ぼーっとする」「ミスをしてしまう」と、記憶に関する声が多く挙がりました。

また脳疲労を感じている人に記憶力の衰えについて調査すると、「よく感じる」が19.4%、「たまに感じる」が54.9%と、7割以上の人が記憶力の衰えを感じると回答しています。脳疲労を感じている人ほど、記憶力の衰えを感じる傾向があるようです。
さらに脳疲労を感じる原因について調査すると、原因として多く挙げられたのが、睡眠とストレスでした。

日常生活で脳の疲労を感じる人

ストレスと脳疲労

脳疲労を感じている人に原因について聞いてみると、6割近くの人が「睡眠不足」(58.9%)と回答。次いで「仕事のストレス」(45.1%)、「対人関係のストレス」(39.5%)と、4割前後の人が日常的にストレスを感じていることが明らかになりました。
実際にグラフ(右)でわかる通り、ストレスを感じている人ほど、脳疲労を感じやすいと感じているということです。

ただ、この調査では、脳疲労を感じている人の約8割は、睡眠時間の確保や趣味などによるストレスの解消など、改善を試みている人も多いようです。

脳疲労を感じたら、生活習慣を見直すチャンスです。睡眠時間の確保につとめ、ストレス解消のための気分転換を積極的に取り入れることが大切です。

※コラム中のグラフの構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。

出典:第一工業製薬株式会社(PDF)

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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