脳のはなし

寒すぎる部屋で脳が老化する!?

電気代、燃料代の高騰が続き、頭を悩ませている人も多いことでしょう。暖房をなるべく使わないようにしている家庭も多いと思いますが、過度に寒い部屋で生活することは、脳にとってはあまりよくない結果となるようです。

というのも、冬場に室温の低い部屋で生活すると脳老化を早めてしまう……そんな事実が、科学的に明らかになったためです。

慶應大学理工学部が行った研究では、男女90名、63軒を対象に、脳MRI画像と住宅の温湿度、血圧、生活習慣を調査、分析したところ、冬期に室温が低い家に住む群と比べて、室温が温かい家に住む群のほうが、脳の神経線維の質が保たれていることが分かりました。

研究者は「室温が1℃高い場合、移住者の脳神経の年齢が約1歳若い状態に相当すると解釈できる」と語っています。

脳の神経線維に影響を与える理由としては、室温が低いと血圧が高くなりやすく、脳の血管に悪影響を与える可能性が高くなること。また、運動量が減ることが影響していると考えられています。

いずれにしても、冬場は室内で寒さを我慢し過ぎると、脳の老化を早めることにつながる可能性があります。
WHOは、「冬場の住宅の室温は最低でも18度以上」と勧告しています。動脈硬化や高血圧のリスクも心配されるため、脳の健康維持のためにも、18度を下回らないように室温をコントロールすることをおすすめします。

参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/shasetaikai/2018.6/0/2018.6_137/_pdf/-char/ja

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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