脳のはなし

悪玉菌が多いのは要注意?!腸内環境と認知症の関係とは

近年の研究では腸内細菌が消化器系の病気や免疫力や、肥満などに影響することがわかっています。これらの影響だけでなく腸内細菌は認知機能と深く関係しているということを国立長寿医療研究センターの佐冶直樹副センター長ら研究チームが、2019年2月に発表しました。

この研究は、同センターの物忘れ外来を受診した患者の便を収集し、臨床情報とともに腸内細菌と認知機能の関連について、東北大学、久留米大学、テクノスルガ・ラボと協力し統計学的に分析したものです。

便の腸内細菌の数やサイズのほか、代謝産物の濃度を測定などの分析をした結果、認知症の患者の便は腐敗産物であるアンモニアが(オッズ比1.6倍)増加し、ビフィズス菌など善玉菌を増やす働きのある乳酸が減少(オッズ比0.3倍)していることがわかったのです。

この報告の「便の中の乳酸が減少している」という発見は、認知症の新たな予防法に役立つ可能性が期待できることから、研究グループでは東北大学の都築毅准教授と共同で食事や栄養と腸内細菌の関連について、引き続き解析していくことにしました。

年齢を重ねると運動不足や食事のバランスを崩しがちです。病気や認知症予防のために、いい腸内環境を保つような運動や食生活を日頃から心がけましょう。

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