脳のはなし

貧血が脳のパフォーマンスを悪くする!?脳を働かせる重要栄養素とは

ドーパミンやアドレナリン、セロトニンなど、脳には様々な神経伝達物質が存在し、情報の運搬役として働いています。それらは総称して「モノアミン」と呼ばれ、学習や睡眠などに関わったり、意欲や幸福感といった感情の働きに関係したりしています。

このモノアミンの材料になる栄養素が、鉄です。鉄が不足すると神経伝達物質の生成も十分に行われなくなってしまうため、脳の働きや発達において非常に重要な栄養素であるといえます。

ところが、令和元年に厚生労働省が行った国民健康栄養調査によると、成人女性(月経あり)の鉄摂取量の平均値は7.5mgと、推奨量である10.5mgよりも低値であることが分かりました。同じく、1歳から6歳の子ども(男女)においても、同調査によると鉄摂取量の平均値は4.2㎎でした。推奨量は1~2歳で4~4.5㎎、3~5歳で5.5㎎、6~7歳で6.5㎎ですから、十分に摂れているとはいいがたい現状がみてとれます。

実際、成育医療センターの調査によると、産後うつを発症するリスクは、軽度の貧血があると1.62倍、重度の貧血では1.92倍にもなることが分かっています。
鉄の不足が脳に不都合な影響を与えてしまっている可能性がうかがえます。

学習や精神面への影響を考えると、やはり子どもも大人も、十分に鉄を摂取することを心掛けることは大切です。鉄が豊富な赤身の肉や魚、貝類をしっかり食べることで、脳のパフォーマンスアップにつなげてください。

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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