脳のはなし

脳がおおいにはり切る、ある勉強法とは?

何かを学ぶとき、多くの方は机に向かって黙々と読んだり書いたりといった形で勉強をしていることでしょう。

確かに、脳は新しいことを学ぶときによく働くことは事実ですが、実は、もっと脳にやる気を出させるあるコツがあります。それは、「音読をすること」です。

私の行った研究によると、目から文字情報を入力して脳内で処理する「黙読」と、それを声に出して「音読」を比べた時、双方とも働き出す脳の領域は同じではありましたが、音読のほうがその範囲がより広くなることが分かっています。

それは実に大脳の70%にも及び、音読するスピードを上げるとさらに活性化することも分かりました。

つまり、脳は目だけよりも、口や耳も同時に働かせるという、より複雑なシステムを動かすようにすると大いに張り切り、その機能をグンと活性化させるということです。

そう考えると、音読をしながら手を動かして文字を書く…というのは、さらに複雑なシステムということになります。当然ながら、私の調べたところでは、頭の良し悪しに関係する高次な働きを行う脳の「前頭前野」が大変に活性化することが分かっています。

最近は、勉強の方法も動画やアプリを使ってより効率的に、簡便にという傾向に流れてはいますが、実は脳科学的には読み書き音読という昔ながらの方法を基本とした「より複雑なシステム」のほうが、学習するうえでは効果的といえるようです。

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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