脳のはなし

”ネガティブ感情”で言語処理能力がアップする!?

明るくポジティブな気持ちのときと、暗く不安なネガティブな気持ちのときは、それぞれ脳にも大きな影響を与え、仕事のパフォーマンスが左右されるもの。

対人サービスなどのときには、当然ながらポジティブじゃないと難しくなりそうですが、実は、言語能力が必要なタスクの時は、意外にもネガティブ感情のときのほうが正確性を発揮する――そんな最新研究がこのほど、アリゾナ大学から発表されました。

研究では、34人の参加者に悲しい気持ちになる映画と、コメディ映画をみてもらい、その後に世界の知識を説明する文章を聞いてもらいました。そして、悲しいときと楽しいときの文章の矛盾に対する脳の反応をそれぞれ分析したところ、悲しい気分のときのほうが、文章の誤りに気付きやすいことがわかったのです。

研究者は「ネガティブな気持ちのときのほうが、より分析的、批判的になることが示唆されている」と語っています。

いずれにしても、私たちの脳の情報処理は、感情に大きく影響されることが分かります。分析や批評をする仕事の前は、意識的に浮き立つ気分にならないように自分を抑えることで、仕事の正確性が高まるかもしれませんね。

参考:https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fcomm.2022.910482/full

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

※ ご自身の脳についてもっと知りたい方は、川島隆太博士監修の「脳のはなし 6日間無料メール講座」の受講をおすすめします。

  1. 脳活動と日常生活の関係性
  2. 現在脳科学でわかっている事実
  3. 効果的な脳の鍛え方

などを6日間にわたってメールでお伝えします。
ご登録はこちらから