脳のはなし

認知症にも影響するヨガの効果

近年、老若男女問わず人気のヨガは、リラクゼーションやストレス解消など、心身の健康効果だけでなく、脳や心臓・血管の疾患の研究でも、有酸素運動と同様の効果があると注目されています。

ヨガによる認知改善の効果としては、2019年のイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究があります。

この研究は、ヨガ経験のない人たちが週1、2回、10〜24週にわたり、ヨガを行い、脳の健康状態の変化について調べたものです。

その結果、脳の海馬の容量が増えることがわかりました。また感情を司る扁桃体も、ヨガを実践している人としていない人を比べると、ヨガ実践者の方が大きい傾向にありました。さらに、脳の前頭前野皮質と帯状皮質なども、定期的にヨガをやっている人ほど、大きく、効率よく活動している傾向にあるということです。

2022年には、カナダのラヴァル大学の研究グループが、肥満や高血圧の人が有酸素運動に加えて、ヨガを3か月実践することで、心筋梗塞や脳卒中など心血管疾患のリスクを減少させる可能性があることが発表されました。

心筋梗塞は心臓の病気ですが、脳の血管に支障をきたすと、血管性認知症の原因になると言われています。

ヨガは、初心者でも無理なくできるだけでなく、リモートや1人で動画を見ながらでもできる運動です。脳や心臓・血管の健康を保つために、運動習慣にヨガを加えてみるといいのではないでしょうか。

出典):
アメリカ イリノイ大学・アーバナ・シャンペーン校
カナダ ラヴァル大学

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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