脳のはなし

ドコモと東北大が脳トレのスマホアプリを開発

これまでの研究で、口腔の機能低下と、認知機能の低下は関連していると言われてきました。理由は、噛むことや飲み込む機会が減ると脳への刺激が減少し、認知症になる可能性が高くなるからです。けれども口腔の機能や認知機能の低下は症状に出ることが少なく、病院を受診しないとわからないことが問題となっています。

これらの課題を解決するために、株式会社NTTドコモは「脳の健康チェックAI」と、東北大学大学院歯学研究科と同大加齢医学研究所との共同研究で、「脳の健康トレーニングAI」を共同開発しました。

「脳の健康チェックAI」は、中高年にも利用者が増えているスマートフォンを活用し、日々の健康に関するデータを分析することで、脳の健康状態の変化をチェックするもの。

「脳の健康トレーニングAI」は、スマートフォンのカメラ映像とAIを用いて、計算問題などの脳トレーニングと頬や舌などの口周りの運動を組み合わせた脳と口腔の機能トレーニングをゲーム感覚で同時に行う、世界初のアプローチを採用したものです。

スマートフォンの利用傾向から日常的に脳の健康状態を見える化することで脳機能の低下に気づき、脳のトレーニングなどに早期に誘導することを目指しています。

今後は、実用化に向け、従業員の認知機能の状態把握に取り組む企業の協力を得ながら、アプリの利用効果と使用感の実証実験を行い、2025年3月のサービス化を目指しています。

脳の健康を見える化することで、早めに認知機能低下に気づき、脳のトレーニングや早期に医療機関へ誘導することができれば、国民のウェルビーイングに繋がるとともに、医療費・介護費の低減などに役立つようになるのではないでしょうか。

出典):
株式会社NTTドコモ 東北大学大学院歯学研究科 東北大学大学院加齢医学研究所(PDF)

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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