脳のはなし

運動習慣がストレスによる脳の炎症を防ぐ

ほどよいストレスは仕事をやり抜く上でのよいモチベーションになりますが、それが長期化して慢性的になると、健康に悪影響を及ぼすことが知られています。うつ病や不安障害といった精神疾患のリスクを高めたり、免疫機能を低下させて感染症にかかりやすくなったり。さらに血圧を上昇させて高血圧を発症したり、視床下部領域の炎症を引き起こすなど、脳にもネガティブな影響を及ぼすことがあるのです。

このストレスによる脳への悪影響を予防するためには、運動が効果的でとされるメカニズムが昨今、順天堂大学の研究で明らかになりました。

同研究では、高血圧の状態にしたラットに運動できる環境を与えると、血圧を調整する脳領域への炎症細胞の広がりが抑制されることが確認されたのです。
つまり、日常的に運動を行うことで、ストレスによる脳の炎症が抑制できる可能性があることが示唆されました。

パーキンソン病、アルツハイマー病、うつ病なども脳の炎症によって発症する神経炎症性疾患に分類されていますが、運動はそれらを予防する効果があることもすでに明らかになっています。今回の研究では、ストレスが原因の高血圧症がもたらす脳の炎症にもポジティブな影響があることが分かりました。

日常的に運動を行うことは、多種多様なネガティブ要因から脳を守ることにつながるということは間違いないということ。脳の健康維持のためにも、1日1運動を心掛けていきましょう。

参考):https://www.juntendo.ac.jp/news/14319.html

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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