脳のはなし

母親との脳活動同期が子どもの言語発達に影響する

幼少期において養育者から安定した愛情を受けることで形成される「愛着形成」は、子どもの脳に大きな影響を及ぼすことが知られています。この愛着形成がうまく形成されない子どもは、感情コントロールがうまくできなくなったり、他者に対して無関心になったりといった特徴が現れることが分かっています。

慶応大学が昨今、行った研究によると、3~4か月の乳児に対して、親が授乳や抱っこなどの養育行動をしている際の脳活動を計測したところ、特定の脳活動が親子で同期していることが分かりました。そして、この脳同期が強いほど、親子相互の愛着指数が良好になることも確認されたのです。

さらに面白いことに、子どもが2歳になるころの言語発達もまた、良好に促進されることが分かりました。

生まれて数か月という発達初期の段階であっても、赤ちゃんの脳は養育者からの愛情のシャワーを浴びることで、心と知能を大きく成長させる。親子間の脳同期がいかに重要であるかがよくわかる結果です。

たとえまだ話せなくても、意思表示はできなくても、赤ちゃんはしっかり親からの愛情を受け止めて、それを糧に自らを成長させている。そのことを忘れず、赤ちゃんとのコミュニケーションの時間を大切にしたいものです。

参考:https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2023/11/1/28-153468/

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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