脳のはなし

AIで診断!会話で認知症のリスクが分かるように

高齢化が加速する日本においては、認知症患者の増加が大きな社会的課題となっています。その解決に向けて、今、認知症の早期発見が重要性を増してきました。

というのも、認知症の前段階である「軽度認知障害(MCI)」を早期発見し、このときに適切な予防や治療を行うことで、認知機能の改善や認知症の発症を遅らせることが目指せるためです。

こうした流れを力強く後押しする新技術の昨今、発表されました。

慶應大学医学部とテック企業の共同研究チームは、会話を元に認知症の可能性を検知するAIプログラムの開発を発表。特定の課題を用いず、高齢者と医療者との間で行う数分間の自由会話を元に自然言語処理(NLP)の技術が使用されるもので、簡便かつ低コストに診断が行えるとのことです。

認知症の人の88%、認知症でない人の92%を正しく判定できることも分かっており、その精度は、現在、医療現場で用いられている認知症診断テストと比べても同等以上のものとのこと。

現在、実用化に向けた臨床試験が始まっているとのことですから、認知症の早期発見に大きな期待が寄せられます。もの忘れ外来の診察室で、医師と数分間会話をしただけで診断がつくようになる未来は、そう遠くないかもしれません。

参考) https://www.nature.com/articles/s41598-022-16204-4

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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